口腔習癖って何?子どもの歯並びに影響するお口のクセについて
「うちの子、よく爪を噛んでいるな…」「気が付くと舌を出している」「小学生になったのに指しゃぶりがやめられない」
このような何気ない癖はありませんか?
実はこれらは「口腔習癖(こうくうしゅうへき)」と呼ばれ、お子さまの歯並びやお口の発達に影響を与える可能性があります。
口腔習癖とは、お口やその周囲で繰り返し行われる無意識の癖のことです。一時的なものであれば大きな問題にならないこともありますが、何か月も続いたり、毎日のように繰り返したりすると、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすことがあります。
口腔習癖にはどのようなものがあるの?
代表的な口腔習癖には次のようなものがあります。
指しゃぶり
乳幼児期の指しゃぶりは自然な行動です。しかし、4〜5歳を過ぎても長期間続く場合は注意が必要です。
指を吸う力によって前歯が前方へ押し出され、出っ歯(上顎前突)や前歯が噛み合わない開咬(かいこう)の原因になることがあります。
舌を出す癖(舌突出癖)
無意識に舌を前に出したり、飲み込むときに前歯を押したりする癖です。
舌は非常に大きな力を持っているため、毎日繰り返されることで歯並びを徐々に変化させてしまいます。
唇を噛む癖
下唇を噛んだり吸ったりする癖も口腔習癖の一つです。
下唇が前歯の間に入り込むことで、上の前歯が前方へ出やすくなり、出っ歯の原因になる場合があります。
爪を噛む癖
緊張したときや集中しているときに見られることがあります。
歯や顎に余計な力が加わり、歯の摩耗や歯並びへの悪影響が心配されます。
口呼吸
いつも口が開いている「お口ぽかん」も口腔習癖の一つです。
口呼吸は口唇閉鎖不全や舌の位置異常を引き起こし、歯並びだけでなく、むし歯や歯肉炎のリスクも高めます。
なぜ歯並びが悪くなるの?
歯並びは遺伝だけで決まるものではありません。
歯には常に周囲から力が加わっています。外側からは唇や頬の力、内側からは舌の力が働いています。
通常はこれらの力のバランスによって歯並びが保たれています。しかし、口腔習癖が続くとバランスが崩れ、歯が少しずつ動いてしまうのです。
毎日の小さな力でも、長期間続けば歯並びに大きな影響を与えます。
放置するとどうなる?
口腔習癖を放置すると、
出っ歯
受け口
開咬
歯並びの乱れ
発音への影響
噛みにくさ
口呼吸の悪化
などの問題につながることがあります。
また、将来的に矯正治療が必要になる可能性も高まります。
やめさせるにはどうしたらいい?
まず大切なのは、お子さまを強く叱らないことです。
口腔習癖の多くは無意識に行われています。そのため、「やめなさい!」と何度も注意すると逆にストレスになり、改善しにくくなることがあります。
まずは、
癖が出る場面を観察する
癖に気付いたら優しく声をかける
頑張れたら褒める
原因となる不安やストレスを探る
ことが大切です。
また、歯科医院では口腔機能発達不全症の評価や、お口周りの筋肉を鍛えるトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)を行うこともあります。
気になる癖は早めに相談を
「そのうち治るだろう」と思っていた癖が、実は歯並びやお口の発達に影響していることがあります。
特に数か月以上続いている癖や、毎日のように見られる習慣は注意が必要です。
お子さまの健やかな成長のためにも、気になる口腔習癖がある場合は早めに歯科医院へ相談しましょう。
福島ファミリーデンタルクリニックでは、お子さまの歯並びだけでなく、お口の機能発達にも力を入れています。気になる癖やお口ぽかんなどがありましたら、お気軽にご相談ください。
筆者:福島ファミリーデンタルクリニック 院長 歯科医師 増田貴行


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