乳歯の虫歯が咀嚼に影響を及ぼすの?
- fukushimafdcinfo
- 11 分前
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「乳歯はいずれ抜けるから、少しくらい虫歯になっても大丈夫」と思われることがあります。しかし、乳歯の虫歯は単に歯が悪くなるだけではなく、お子さまの“食べる機能”である咀嚼(そしゃく)にも大きな影響を及ぼします。成長期のお子さまにとって、しっかり噛んで食べることは、顎の発達や歯並び、さらには全身の健康にも関係しています。
乳歯が虫歯になると、まず起こるのが「痛み」です。歯が痛いと、お子さまは自然とその歯を避けて食事をするようになります。すると片側だけで噛む“偏咀嚼(へんそしゃく)”が習慣化してしまいます。左右どちらか一方ばかりで噛む状態が続くと、顎の筋肉のバランスが崩れ、顎関節に負担がかかることがあります。その結果、「顎が痛い」「口が開けにくい」といった症状につながることもあります。
また、噛む回数が減ることで、食べ物を十分にすりつぶせず、丸飲みに近い食べ方になる場合があります。しっかり噛むことは消化を助けるだけでなく、脳への刺激にもつながるため、成長期にはとても大切です。虫歯によって噛みにくい状態が続くと、食事そのものを嫌がるようになるケースもあります。
さらに虫歯が進行して乳歯が大きく崩れたり、早く抜けてしまったりすると、お口の中の環境が大きく変化します。歯がなくなった隙間に舌を入れる癖がついたり、食事中や安静時に舌を前に出す「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」が起こることがあります。また、歯が欠けたり失われたりすると、舌を噛んでしまう「咬舌癖(こうぜつへき)」がみられる場合もあります。
このような舌の癖は、歯並びや噛み合わせにも悪影響を与える可能性があります。特に、舌で前歯を押す癖が続くと、前歯が前方に出る「出っ歯」や、前歯が噛み合わない「開咬(かいこう)」の原因になることがあります。乳歯の段階で起こった問題が、永久歯の歯並びや顎の発達にまで影響することは少なくありません。
また、乳歯には永久歯を正しい位置へ導く“ガイド”としての役割があります。虫歯によって乳歯を早期に失うと、隣の歯が倒れ込んできて永久歯の生えるスペースが不足し、将来的な歯列不正につながることがあります。その結果、矯正治療が必要になるケースもあります。
お子さまの虫歯予防で大切なのは、「痛くなってから歯医者へ行く」のではなく、痛くなる前に予防することです。乳歯は永久歯よりも柔らかく、虫歯が進行しやすい特徴があります。そのため、仕上げ磨きやフッ素塗布、定期検診が非常に重要です。
特に小さなお子さまは、自分で症状をうまく伝えられないことがあります。「最近片側ばかりで噛んでいる」「硬いものを嫌がる」「食事に時間がかかる」といった変化は、虫歯や噛みにくさのサインかもしれません。保護者の方が日常の様子をよく観察し、気になることがあれば早めに歯科医院へ相談することが大切です。
福島区鷺洲の歯科医院「福島ファミリーデンタルクリニック」では、お子さまの虫歯治療だけでなく、咀嚼機能やお口の癖、歯並びまで含めた総合的な診療を行っています。小児歯科では“今だけ”を見るのではなく、“将来のお口の健康”を考えた予防がとても重要です。お子さまのお口の健康を守るために、定期的な歯科受診をおすすめします。
筆者:福島ファミリーデンタルクリニック 院長 歯科医師 増田貴行


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